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太宰治 · 走れメロス · 1940

はしれメロス

だざいおさむ / Hashire Merosu

N3冒頭· 短篇小说

原文

1

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。

2

しかし邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。