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芥川龍之介 · 蜘蛛の糸 · 1918

くものいと

あくたがわりゅうのすけ / Kumo no Ito

N3冒頭· 短篇小说

原文

1

ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。

2

池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のように真白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも言えない好い匂いが、絶間なく溢れて居ります。